フランキンセンス（乳香）はどんな香り？効果効能や精油についてくわしく解説！

フランキンセンス（乳香、オリバナム）は、どこか厳かな雰囲気を感じつつも、心身に深い落ち着きをもたらしてくれる香り。

アロマテラピーで精油としてよく利用されるほか、香水にも香料として使われるのでどんな香りが気になる人も多いでしょう。

この記事では、そもそもフランキンセンスとは何か、効果効能も含めてわかりやすく解説します。

3分程度で読めるので、フランキンセンスについて勉強したい人は、ぜひ最後までお読みください。

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フランキンセンス（乳香）とは？

原料植物名	リュウコウジュ
別名	ニュウコウノキ
精油別名	オリバナム、乳香
科名	カンラン科
学名	Boswellia sacra（Boswellia carteri）
主な産地	エチオピア、ケニア、ソマリア、インド
主な抽出部位	樹脂
抽出方法	水蒸気蒸留、溶剤抽出
成分例	α-ピネン、リモネン、p-シメンなど

フランキンセンスとは、暑く乾燥した地域に育つカンラン科の樹木。

樹高は5~6m程度で、標高1,000m~1,800mの石灰質の山地に生育します。

フランキンセンスの木を傷つけると、白っぽいミルク状の樹液が取れます。

その、見た目から樹脂を固めたものや精油は「乳香」とも呼ばれ、古くからお香として利用されてきました。

フランキンセンスは、主に2種類から採取されます。

フランキンセンスの別名は「オリバン、オリバナム」。

写真を見てわかる通り、見た目は”ゴム樹脂”。

キリストの誕生時に、東方の三博士（とうほうのさんはかせ）が赤ん坊の足元に捧げた祝いものとしても有名です。

フランキンセンスは品種によっても若干色合いが変わります。

たとえば、B.carteriiでは白が一級品で、赤色に近づくと二級品となります。

一方、B.frereanaの場合、透明な黄色～オレンジ色になることが多いです。

フランキンセンスはどんな香り？

フランキンセンスは、「格別に豊かで、高貴かつ神聖な香り」。

トップはレモン様の爽やかな香りもしつつも、香りの中心はオリエンタルノート、バルサムノートに近いです。

重たい香りでありながらも、後ろから”そっ”と包み込んでくれるような”やさしさ”を感じられます。

厳かで瞑想に耽りたくなるような、どこか懐かしい香りに精神が解き放たれるような気持ちになるはず。

フランキンセンスの香気成分

フランキンセンス精油の香気成分は

• α-ピネン約41%
• リモネン約17%

で半分以上を占めます（※3）。

しかし、これらの香りはあまり強くありません。

また、フランキンセンスの特徴香とは言いがたいです（リモネンなんて、レモンのような柑橘なら90%近く含まれていますしね）。

• サビネンハイドレート（11%）
• ターピネン-4-オール（1%以下、trace量）
• ベルべノール（1%以下、trace量）

ほかにも微量でありながら、香りが強い香気成分（アニマルノート）があり、フランキンセンスの香りに寄与していると考えられています。

※文献により異なるので、参考程度にしてください。

フランキンセンスの効果効能・生理・心理効果

フランキンセンスの効果効能はつぎのようなものが知られています（※3）。

黄色ブドウ球菌やカンジダ菌に対する強い抗菌作用が報告されています（※4）。

フランキンセンスの精油と使い方

フランキンセンス精油のメジャーな使い方を解説します。

蒸気吸入法

咳やタンが出る時に、フランキンセンスの香りを嗅ぐと症状が和らぐことがあります。

スキンケア

フランキンセンスにはエイジングケアにも使われてきました。

エイジングケアとして利用するときは0.5%以下に薄めて使用しましょう。

フランキンセンスの精油の禁忌（注意点）

フランキンセンスの精油は、メーカー記載の使用方法と使用量を守れば禁忌や注意点はありません。

そういう意味でも、初心者にとって比較的使いやすい部類の精油と言えます。

※「フランキンセンスと文化」で解説するように、現地ではフランキンセンス樹脂を日常的に噛んでいるくらいです。

フランキンセンスの精油のおすすめと買える場所

フランキンセンスの精油は老舗ブランドで購入できます。

有名どころでは「フレーバーライフ」や「生活の木」、「無印良品」などが信頼できる精油ブランドとしておすすめです。

フランキンセンスと文化

フランキンセンスは貴重で高価な精油。

その一方、現地ではガムのように噛んでいてポピュラーな一品。

古代エジプトでは、悪霊を払ったり瞑想を行う際に樹脂として利用されていました。

フランキンセンスの神聖な香りを体験してみて

この記事では、フランキンセンスについて解説しました。

ふだん、アロマテラピーや香りに馴染みがないとなかなか触れることのないフランキンセンス。

変化のスピードも早く疲弊してしまう現代。

「どこか懐かしい香り」を嗅げば、心がホッと休まることもあるでしょう。

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参考文献

1. アロマテラピー検定公式テキスト1級・2級 2020年6月改訂版,公益社団法人日本アロマ環境協会
2. 調香師が語る香料植物の図鑑,原書房,2013,フレディ ゴズラン,グザビエ フェルナンデス,前田 久仁子
3. ビジュアルガイド精油の化学 イラストで学ぶエッセンシャルオイルのサイエンス,長島 司,2012初版,フレグランスジャーナル社
4. Chemical composition and antimicrobial activity of some oleogum resin essential oils from Boswellia spp. (Burseraceae),Lorenzo Camarda, Talya Dayton, Vita Di Stefano, Rosa Pitonzo, Domenico Schillaci,Ann Chim. 2007 Sep;97(9):837-44.